オーダーメイドのアルミで実現する荷箱の理想形
ちょっぴりワイルドなオーバランド仕立てのハイゼットに対して、まったく趣向の異なる和モダンなテイストを身にまとったサンバーの2台。実はどちらの車両も完全オーダーメイド、世界にひとつだけのワンオフ設計によるアルミフレームで荷箱のベースとなる骨格が構成されている。
そんな唯一無二のアルミフレーム製造を手がけているのが、アルミの鍛冶屋を標榜するAプロジェクトを筆頭にした職人軍団「AFC(アルミニウム・フリーデザイン・カスタマイズ)」だ。ちなみにワンオフ設計で枠にとらわれない多様な使い勝手から、製品群を愛情を込めて「荷箱(ニバコ)=荷物を入れる箱」と呼んでいる。
オリジナルの荷箱を希望する顧客とは設計段階からディスカッションを重ね、ライフスタイルやクルマに求める機能性を吟味しつつ仕様を決定。軽量&高剛性なアルミフレームゆえにルーフの開閉機構などギミックも採り入れやすく、特許取得済みの「挟み込みブラケット」によって無加工での積載も実現している。
そんな荷箱の持ち合わせる魅力をじっくり掘り下げてチェックしてみよう。
全幅120%ルールをフル活用した仮宿ボックス
イチから設計図を描き起こしてオンリーワンなアルミフレームを具現化するAFCの“荷箱”は、軽トラの荷台カスタムにおける自由度を無限大に広げてくれるエポックメイキングなプロダクトだ。
大量生産される既成品に比べれば多少値が張ってしまうかも知れないが、個々のユーザーに最適化してカタチ造られた空間はこの上ない満足度と優越感が得られること間違いナシ。ここで紹介するブラックスミス号はオーナーであると同時にアルミの鍛冶屋として活動する中村さんが、自身の理想形として製作した言わばAFCのデモカーである。
キャビンが広いことで人気のハイゼットジャンボは必然的に荷台の前後長が短くなるのが宿命。その間引かれた前後長分のスペースを補っているのが、片側に付き10%まで許されるハミ出し基準を利用した拡幅化と言うわけ。これにより前後長はハイゼットジャンボの荷台長に準じているものの、横幅においては荷台を30センチ近く拡幅した170センチ強の室内スペースを具現化している。
ちなみに車両への取り付けに関して特別な加工は施されておらず、アオリを倒した状態で荷箱を載せて再びアオリを閉じたのみ。これにより荷台とアオリのすき間にブラケットが挟み込まれてロックされる寸法で、アルミフレームによる軽量設計のアドバンテージも相まって車検時などの積み下ろしも手がかからない。
アオリで固定する挟み込みブラケット
SPECIFICATION
●Models:ダイハツ・ハイゼットジャンボ
●Wheel:MLJ・XJ07(14×4.5J)
●Tyre:オープンカントリーT/A(165/60R14)
●Suspension:1インチリフトアップ
●Exterior:AFC荷箱、フロントバー、サイドステップ、スキッドプレー
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[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]