Q36.キャンバー角を付ける意味やメリット、デメリットは?
A. スポーツ走行をする場合、ネガティブキャンバーを付けるとコーナリング性能がアップします。ということでコースを速く走るには大きなメリットになるものの、ストリートで考えた場合はデメリットが目立ってきます。まずタイヤの接地面積が小さくなることで直進時のグリップが低下。シチュエーションにもよりますが、雨の日はスリップしやすくなることも。また内側が偏摩耗するので、タイヤの寿命を縮めてしまいます。ほかには6.5Jや7Jといった太いホイールを履かせる場合、フェンダー内に収めるためにキャンバーを倒すという人もいます。ミリ単位のマッチングの話になるので、これは上級者向けですね。
キャンバーを付けると、コーナリング時のグリップ力は上げるが・・・。
Q37.タイヤサイズはどれくらいがいいの?
A. ローダウンするとタイヤとインナーのクリアランスが狭くなり、場合によっては干渉します。よって外径の小さなタイヤの方が有利なのですが、そこを重視しすぎると偏平率が低くなるので乗り心地が悪くなってしまいます。そのため14インチなら165/55R14(外径537ミリ)、15インチなら165/50R15(546ミリ)あたりが有力候補。165/45R15(外径529ミリ)もありますが、このサイズはほぼ海外タイヤしか選択肢がないのと、できれば偏平率は50は欲しいところです。また16や17インチで50偏平となると外径が大きくなり過ぎて厳しい。偏平率を一歩譲るなら165/45R16(外径554ミリ)でしょうか。外径サイズだけで見たら165/40R16(外径538ミリ)や165/35R17(外径547ミリ)も履けますが、かなりタイヤが薄いのでリスク高め&乗り心地も正直良くないです。
デモカーは165/50R15。乗り心地◎です。
Q38.ハイゼットよりキャリイの方が下げにくいって本当?
A. ハイゼットもキャリイも足まわりの基本構造は同じですが、タイヤハウスの広さがけっこう違います。同じダウン量で、同じタイヤサイズを履いても、ハイゼットなら当たらないのに、キャリイなら当たるということも普通にあります。干渉しないようにするには、タイヤ外径を小さくするか、ダウン量を控えめにする、あるいはインナー加工しかないので、そういう意味ではキャリイの方が下げにくいともいえますね。タイヤが165/50R15だとしたら、キャリイは40ミリダウンくらいまでが大丈夫なライン。それより落とすとインナーの天井に擦ったり、ハンドルを切った時に当たる可能性が高くなります。ハイゼットなら平気なんですけどね。
干渉しやすいのはフロントバンパー側と天井部分。写真はキャリイのインナーだが、実際に天井を擦った形跡がある。ハイゼットの場合、上にも前後にも広めなので干渉リスクは低い。
Q39.空気圧は純正指定の数値でいいですか?
A. 純正タイヤの指定空気圧は軽積載でフロント2.0キロ、リア2.8キロ。定積載でフロント2.8キロ、リア3.5キロになっています(ハイゼット/キャリイ共通)。仕事でガンガン使う軽トラであればこれを守った方がいいと思いますが、普段乗りする軽トラとしては、ちょっと高めですね。特に定積載の指定空気圧を入れると乗り味はかなりハードになります。あくまで個人的な意見ですが、前後2.4〜2.5キロくらいにするといい具合ですね。ちなみにサーキット走行時は2.8〜3.0キロくらい入れてます。
定積載の空気圧だとかなり硬め。
Q40.前タイヤが偏摩耗しているのですが原因は何ですか?
A. 「Q.36」でキャンバー角を付けると偏摩耗すると述べましたが、そんなに倒してないのに偏摩耗がひどい場合は、トー角がおかしい可能性が大。どんなクルマでも車高を変更するとアライメントは狂うものですが、軽トラの場合、フロントのトー角が狂います。そのためショップでローダウンする場合は「サイドスリップ調整」といって、トー角の調整もセットになっているのが普通。ただし、ごくまれに忘れられてしまったり、そもそもやってくれないケースもあるみたいです。心配なら作業前に「トー調整も入ってますか」と確認しましょう。またフロントにスタビライザーを装着した際もトーが狂うのでご注意を。リアは構造上、狂いません。
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K-CARスペシャル ドレスアップガイド Vol.38 軽トラカスタムガイドより
[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]